少し酔いを醒まそうと座を離れて中庭で風にあたり星空を見あげた。ふと庭の片隅にある一つのハンモックに二人の少女が寝そべりながら少し寂しげに缶ビールを飲んでいるのに気づいた。昼間ちょっとおしゃべりした17歳のオランダの少女達だ。高校卒業記念に二人でギリシア旅行しているとのことだった。どうも年上の大学生らが難しい話をしているので遠慮していた様子。
「可愛いベイビーが揺りかごで何をしているのかな。ベイビーだからミルクを飲んでいるんだね」と私が声をかけると、大喜びでハンモックから身を乗り出してきた。
「大きく元気になるようにミルクを沢山飲んでいるのよ」とご機嫌の反応。
ビールでご機嫌のオランダの女子高生
「良いベイビーだ。グランパ(お爺さん)が子守唄を歌ってあげよう」と私はハンモックをゆっくりと揺らしながらデタラメ即興ララバイを歌った。
「眠れ良い子よ♪ ミルクをたくさん飲んですこやかに眠れ♬ そしてクレージーな夢をみなさい(^^♪)」
「グランパ(おじいちゃん)、次はギリシアの子守唄を歌ってよ」
「オーケー! ベイビー、ギリシアの子守唄は踊りながら歌うんだよ。さあー、揺りかごから降りて、三人で手をつないでー。」