パロス島 5.13~5.18
ビキニのお姉さんから学ぶギリシア経済
5月15日10時 パロス島の港町パリキアのゲストハウスから5キロ先にある岬までクリオス・ビーチ沿いにハイキングに出発。いつものように気に入った入江や浜辺があれば一泳ぎして小道を辿る。碧空がどこまでも広がり爽やかな微風が心地よい。風と海鳥の鳴き声しか聞こえない。砂浜、磯浜、断崖、砂浜、岩山と変化に富んだ絶景を堪能しながら誰もいない無人の世界を歩くこと二時間半で岬の突端のFoka教会に到着。持参した手作りのサンドイッチでランチ。
帰路では往路に発見した私のお気に入りの入江や浜辺で数人の日光浴を楽しんでいる人たちに遭遇。南アから来た年金生活者(pensioner)の夫婦。ドイツの新婚さんカップル。メルボルンから来たOL二人組。
パリキアの近くまで来たときに一人砂浜でポツンと本を読みながら日光浴をしているビキニのグラマラスな女子を発見。アテネで経営学を勉強している大学生であり休暇でパリキアの実家に戻って来ていると。「あまり英語が上手くないけど退屈だからおしゃべりしましょうよ」とのお誘い。砂浜に一緒に寝そべって話していると彼女独特の甘ったるいトークが楽しい。
「いったい何の本を読んでいたの」
「経営財務の本だけど。どうもキャッシュフローとか数字が苦手で読んでいると眠くなっちゃうわ。そもそも経営学なんかあんまり興味がないのよ。だから去年は経営財務と語学を落として落第。今年頑張らないと卒業できないのよ」
「それじゃあ、真面目に勉強しなきゃ。ギリシアでは失業率も高いし就職も難しくなるよ」
「もともと勉強好きじゃないのよ。それに就職するつもりもないの。ねー、ちょっと見てよ。携帯の待ち受けのこのハンサムが私の彼氏よ。彼ってスター・シェフなのよ。ギリシアで一番有名なTVの料理番組に昨年まで出演してすごい人気だったのよ。身長が2メートル近くて格好いいの」
「それじゃあ、彼氏はアテネでシェフしているの?」
「それがさあ、シェラトン・ホテルからオファーがあって今年からキプロス島のホテルのシェフをやっているから、なかなかデートできないのよ。大学なんか辞めて彼氏と早く結婚したいなー。子供は少なくとも三人は欲しいな」
「そんな稼ぎのいい彼氏ならそれもいいね」
「それがだめなのよ。私の家は代々パロスの町でホテルやレストランなんかやっていて、パパは私が大学を卒業したらホテルやレストランの経営を私に任せるつもりなの。だからどうしても大学は卒業しろと煩いのよ」
「兄弟とかいないの?」
「弟がいるけど勉強はさっぱりダメなの。でも人当たりがいいから今はアルバイトで私の家でやっているバーでバーテンダーの見習いをやっているの。あんたの泊まっているホテルは家でやっているレストランの新しいほうの店のすぐ近くだわ。弟がそこのバーにいるし、あんたも今夜そこに来てよ。みんなで一緒に飲もうよ」