イノベーションの風を読む

2015年9月30日

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 このジレンマから、Androidスマートフォンは完全にコモディティ化してしまった。サムスンは多大なマーケティング費用をつぎ込んで、なんとかトップのシェアを維持しているというのが現状だろう。2014年の7-9月の四半期のサムスンのSGA(販売費及び一般管理費)は82億ドル(売上431億ドルの19.1%)で、ほぼ同じ売上規模のアップルの32億ドル(売上421億ドルの7.5%)と比べると非常に大きいことがわかる。

 サムスンのハイエンドのGalaxy Sシリーズも高価格を維持することはできず、新製品を発売しても、しばらくすると値下げしなければならない状況で、低価格機もファーウェイやシャオミといった競合との価格競争に巻き込まれている。サムスンは、このままSGAのレベルを維持することができたとしても、トップシェアホルダーの座をアップルに奪われるのは時間の問題だろう。

 端末の部品のレイヤーには、村田製作所(チップ積層セラミックコンデンサー)、日本電産(振動モーター)、アルプス電気(オートフォーカスと手振れ補正用アクチュエーター)などの、高い技術力を持った日本のメーカーがいる。皮肉なことに、スマートフォン事業が低迷するソニーも、イメージセンサーを他のセットメーカーに提供する事業は好調だ。

スマホエコノミーを加速するクラウドのサービス

フェースブックの事業領域
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 クラウドの領域では、フェースブックやツイッターなどのソーシャルネットや、音楽やニュースやゲームなどのコンテンツを提供するサービスなど、多くのプレイヤーがひしめき合っている。タクシー配車のウーバー(Uber)や、宿泊施設の貸し借りを仲介するエアビーアンドビー(Airbnb)といった、スマホエコノミーの外の既存のビジネスを脅かす新しいサービスも次々と生まれてくる。彼らはサービスを利用するための専用のアプリを提供して、スマートフォンのトップ画面を奪い合っている。この競争が、スマートフォンの価値を高めて、スマホエコノミーを加速しているといえるだろう。

 フェースブックのような巨大なクラウドサービスの事業者は、インフラ(データーセンター)を保有するだけでなく、サーバーなどのハードウェアも自社で開発して効率化をすすめている。

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