2024年4月19日(金)

田部康喜のTV読本

2015年10月22日

 小さなホテルの経営者の夫人が殺された事件で、容疑者となった若い漁民の父親は、フォイルに息子を一時的に釈放するように求める。ダンケルクの救出作戦にふたりで小舟を操って参加するためである。帰ってきたら、必ず息子は警察に戻す、と父親はいう。

 フォイルはそれを信じて、ふたりを送りだす。その息子は流れ弾に当たって死んでしまう。

 真犯人は、ヒトラーを信奉する右翼の首領だった。第1次大戦の苦境からドイツがヒトラーによって立ち直ったことから、米国や英国でナチを賛美する人々や団体が増えたのは歴史の事実である。

 「レーダー基地」は、英国が開発したレーダーがドイツの空襲を防いだ事実を下敷きにしている。夜間でも敵機を発見できるレーダーの技術について、ドイツも研究していたが、ヒトラーの関心が薄かった。

機密のベールに包まれた、レーダー基地に空軍少尉のフォイルの息子のアンドリュー・フォイルが配属になる。彼は飛行技術が抜群の成績で、レーダー網の穴を探るために低空飛行を繰り返す。

 この基地のなかで、レーダーを操作していたひとりの女性が自殺したことを、彼は知る。

 アンドリューは、機密文書を盗み出した容疑で逮捕される。

 フォイルは自分が追いかけている、美術品を運搬する運転手の殺人事件と、アンドリューが逮捕されたことに関係があるとにらむ。殺人事件は、続けて起きる。今度はレーダー基地の上官である。

 この上官が、自殺したレーダーの操作の任務についていた女性に乱暴を繰り返したことがわかって、父親が仕返しをしたのだった。運転手は人違いで殺された。

 アンドリューは、殺された上官によって、事件を隠ぺいするために罠を仕掛けられたのだった。


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