今後の国際秩序の行方を握る米国経済
一方、北米のシェール革命と経済革命は、米国の成長見通しと基本的経済力を改善し、また、メキシコにとっても、自国の労働者に職を与え、人口圧力を縮小することに役立ち、その分、移民問題への対処を容易にしている。
米国の指導者達は、2016年という政治的に重要な年に備えて、どのような結論を引き出すべきであろうか。筆者達は以下の諸点を提示したい。
・議会は輸出入銀行の業務再認可を承認すべきである。同銀行は、外国市場における米国企業の利益を推進する効果的な手段である。
・議会は大きな歴史的意味や重要性がある問題以外で政府の閉鎖や債務危機を齎すようなことはすべきでない。
・民主党および共和党は、2016年選挙の為のメッセージやアジェンダの形成に際し、科学研究、インフラ投資、教育の分野での政府の役割の重要性を認識し、それに応じた予算の優先順位を定めるべきである。
・両党及びオバマ政権は、中国とTPPのような協定を締結することに出来る限りの努力を払うべきである。このような協定は、経済成長のために重要であるだけでなく、中国が、その経済慣行を改革し、適切な基準を設定する動機を与えることにもなる。
・他方、米国はAIIBに参加すべきであり、また、北京との二国間投資協定の締結も進めるべきである。依然として世界で最も早い成長を続ける主要な経済圏との関与で米国が遅れをとってはならないからである。
政治的論議では、一時的に重要な問題と真に意義ある問題が混同されがちである。しかし、米国経済とその核心的基盤に注視することが、今日の政治指導者が未来に残すべき最大の遺産である、と述べています。
出 典:David Petraeus & Michael O'Hanlon ‘Recipe for American success’(USA Today、October 12, 2015)
http://www.usatoday.com/story/opinion/2015/10/12/petraeus-ohanlon-recipe-american-success-booming-economy-column/73617724/