世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2015年11月23日

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先行き不透明化する恐れ

 トルドーの自由党が議席を伸ばし、第1党になるとの予想はありましたが、単独過半数をとると予想した人はそれほどいなかったと思います。予想外の大勝利と言えます。

 ハーパー首相の敗因については、カナダのアイデンティティとハーパーの政策に齟齬があった、ハーパー首相に国民が飽きた、資源価格低下で経済もよくなかったなどにあると言われていますし、これらの社説にもそれが触れられています。大体そういうことだと思いますが、選挙結果をよく分析しないと、明確にはわからないでしょう。

 父親のトルドー首相同様、この新首相も予測可能性が低いG7の首脳になると思われます。

 ハーパー首相は保守主義者で、何をするかはわかりやすかったです。若いトルドーはリベラルと言っています。リベラルは寛容さ、包摂度の高さ、個人の選択の自由強調、環境問題重視などの特色はありますが、それ以上に政治信条として何があるのか、よくわからないところがあります。とりあえずは、今後の政策を見ていくということでしょう。

 プーチンへの対応で助けにならない可能性を上記ウォールストリート・ジャーナル紙の社説は指摘していますが、これも心配の種です。

 TPP(環太平洋パートナーシップ協定)については、多分、労働組合の意見などに耳を傾け、慎重に検討する方向になるのではないかと思われます。TPPの発効要件は、参加各国のGDPが85%以上としているので、カナダが入らなくても発効しうるので、それほど心配はいりません。

 カナダの選挙制度は完全小選挙区制で、かつ投票権者は18歳以上です。選挙結果は大きく振られることが多いですし、若者の意見が反映されます。その善し悪しについては、政策の継続性の見地から、考える余地もあるように思われます。

  
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