世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2015年12月4日

»著者プロフィール

日本もODAの強化を

 ここ10~15年、アフリカは、種々の課題を抱えつつも、グローバリゼーション(貿易と投資)の波に乗って発展してきました。いくつかの産油国は7、8%の成長を達成していました。最近、一次産品価格の低迷が世界経済に深刻な影響を与えていますが、その中で特にアフリカが中国の経済減速と商品価格の低迷から大きな影響を受けています。

 特に中国の資源輸入減少の影響は大きいです。中国はアフリカに大きなプレゼンスを築き、2009年に中国は米国を追い越し、アフリカの最大の貿易相手国になったと言われます(2014-15年は約2000億ドル)。中国は原油輸入の3分の1をアンゴラやナイジェリアなどから買っています。南アフリカ、シエラレオネ、アンゴラなど約10カ国では総貿易の3割以上が対中貿易になっています。貿易や投資(サブサハラ向けに1800億ドル以上)の拡大に伴い、今や100万人の中国人がアフリカに居ると言われます。中国の貿易や投資によりアフリカは大きな恩恵を受けたことは事実ですが、近年、地場の雇用が少ない、不公正な労働慣行がある、汚職をしているなど、中国批判も出てきています。今や中国経済の減速がアフリカを翻弄しています。社説が指摘するガーナの事例は示唆的です。中国への資源輸出依存が特に高いアンゴラ、ナイジェリア、南アなどがどう対応するか、注目されます。

 しかし、アフリカも引き続きグローバリゼーションを通じて発展していくしかありません。従来アフリカの資金需要を満たしたのは主としてODAでしたが、2007年に対アフリカ資金供給で、民間直接投資総額がODA総額を上回りました。目下の試練を乗り切るために、今ODAの重要性を改めて認識し、それを強化していくべきではないでしょうか。社説が過度に悲観的になることを戒めている点には賛同できます。アフリカは大きな可能性を持っており、いずれ調整を経て、また、新しい前向きな展開が起きるのではないでしょうか。

 日本は、アフリカにおいてODAや民間投資等の分野で有益な役割を果たしてきました。こういう困難な時だからこそ、日本はインフラ整備等にODAを一層強化していくべきだと思います。

 最近、インドもアフリカとの関係強化に乗り出しています。10月26-29日に、第3回インド・アフリカ首脳会議がインドで開催されました。この会議は、日本が1993年に始めたアフリカ開発会議(TICAD)方式です。中国経済の減速を踏まえて、アフリカ側でインドに対する関心が強まっていると言います。同会議でモディ首相は、向こう5年間で100億ドルの対アフリカ譲許信用供与を発表しました。多くの国がアフリカに関心を向けることは歓迎すべきでしょう。

  
▲「WEDGE Infinity」の新着記事などをお届けしています。

関連記事

新着記事

»もっと見る