WEDGE REPORT

2015年12月10日

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 継ぎ目のないボディがプリントで仕上がる、ということは車全体のパーツ数が極端に少ないことを意味する。そのためローカル・モーターズでは「マイクロファクトリー」という方法を採用。これは研究施設、車の製造、販売サービスをすべて1つの工場で行うという手法だ。顧客は実際に車が3Dプリントされる様子を見ながら車のショッピングができる。1つの工場ですべてを補うため、将来は全米にこうしたマイクロファクトリーを建設して現地販売を行う予定だという。

 マイクロファクトリーは「既存の自動車メーカーの工場に比べ、環境へのフットプリント(大気汚染などを含む負荷)は50%以下」と同社は主張する。溶接などのプロセスがなく無駄な素材も出さない、という点で3Dプリントカーはサステイナブルで未来的、というのが同社の主張だ。

販売予定価格は5万3000ドル

 もちろんプロトタイプが完成しても実際の販売にはまだ時間がかかる。まず来年に米政府の安全基準テストに合格し、一般道を走行できる車の販売を確立する必要がある。しかしローカル・モーターズは万全の自信を見せており、早くも来年春には車の予約受付を開始する。実際のデリバリーは2017年になる、という。

 気になる価格だが、販売予定は5万3000ドル。2シーターの小型車としては高額と言えるが、普及すればスケールメリットで価格は下がる、と予想されている。

 また、3Dプリントカーのもうひとつのメリットは「デザインに柔軟性があること」だ。安全面などの問題から当面ベースは変わらないが、ボディパネル部分には若干の変更が可能だ。しかもプリントなのでデザインに自由度が生まれ、顧客の好みに応じた1台ごとに異なるディテールを加えることも可能となる。

 3Dプリントカーが成功するかどうかはまだまだ未知数だ。しかし成功すれば3Dプリントの可能性はさらに広がり、次は3Dプリントハウス、などというものも生まれるかもしれない。

  
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