大和盆地南西部に位置する奈良県御所(ごせ)市。西にそびえる金剛山は修験道の開祖、役行者(えんのぎょうじゃ)の修行の地として知られる。御所市内にある役行者ゆかりの古刹、吉祥草寺(きっしょうそうじ)では毎年1月14日に、燃える大松明(おおたいまつ)の壮観な光景で名高い「茅原(ちはら)の大とんど」が挙行される。
御所市教育委員会=写真提供
吉祥草寺の住職、山田哲寛(てっかん)さんによると、
「『茅原の大とんど』は、正式には左義長大とんど法要といい、吉祥草寺では大宝元年(701)から行われています。これは天候不順による凶作や悪疫にお悩みになった文武天皇が、御霊夢に導かれて吉祥草寺に入山。御祈願されたところ霊験著しかったことから、翌年の正月元旦より2週間にわたって法要を営み、結願(けちがん)の日に雌雄一対の大松明を献納されたことに由来しています」
大とんどで使用される大松明は、上が開いた朝顔型(逆台形型)で、重さは約1トン、高さは6メートルにおよぶ。当日は、15時に修正会(しゅしょうえ)の結願法要があり、大松明への点火は20時30分ごろ。点火後、僧侶と参詣者が一緒に般若心経を唱えて、世界平和や五穀豊穣を祈願する。読経が響く中、天にも届く勢いの炎は圧巻だ。
点火時には3千人を超える人が境内に集まる。火の近くは高温になるため、離れた場所から眺めるのがお勧めという。
茅原の大とんど
<開催日>2016年1月14日
<会場>奈良県御所市・吉祥草寺(和歌山線玉手駅下車)
<問>☎0745(62)3472
http://www.en-chan.com/index.htm
*情報は2015年11月現在のものです。料金・時間・休館日などの詳細は、お出かけの際、現地にお確かめください