定年バックパッカー海外放浪記

2016年5月22日

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現代中国のエリート中のエリート

 12月12日 ビエンチャンの朝は早い。6時前から屋台や道端で朝食の営業が始まる。安宿は素泊まり料金なのでメコン川まで散歩して帰り道で美味しそうな食べ物を探す。ひき肉や野菜炒めをクレープ生地で包んだのが旨そうだったので屋台に座る。前に15歳くらいの少女が食べており彼女に食べ方を教わる。

ルアンバパンの滝

 隣にアジア系青年が座った。彼は北京からの観光客というが、話しているうちにすごいエリートであると判明。大学でジャーナリズムを専攻、北京の国営TVの中央電視台(CCTV)に就職し、報道記者をしている。大学卒業後7年間休みなしで働いてきたので3カ月の特別休暇をもらって旅行中という。

 現在彼は社会問題を担当。突発的な大事件、大きな災害など緊急ニュース(Breaking News)はすべて彼の担当とのこと。第一報を受けて原稿を書いてアナウンサーにつなぐ。放送前に短時間で対応しなければならず毎日緊張の連続であるという。

 国営TV中央電視台は当然のことながら共産党の宣伝部門の最重要メディアだ。共産党トップ直轄の組織であり、そのなかでニュース部門は一歩間違えれば即時左遷、失脚という危険を孕んでいる。大事件、大きな災害は時に社会問題となり民衆の反応が政府批判・共産党批判に繋がる可能性がある。それゆえ記事原稿を書く人間は共産党トップの意向を忖度できる能力と関係部署との調整力が必須である。当然上層部との緊密なコネや信頼関係がなければ務まらない。

 改めて彼を見ると長身で健康的でハンサムな爽やかな好青年である。私が「緊急ニュースは社会的影響が大きいから記事を書いてプロデューサーや関係部署の承認を得るのは神経を使うね」と水を向けると「7年も仕事をしているので仕事の手順や関係者との調整は慣れていますから。それよりも短時間で現場からの第一報を整理して事件・災害の背景を確認したり、事件・災害が民衆に与える影響、社会的反響を予測したり判断しなければならず神経を使いますね」と淡々とにこやかに正論を語る。

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