WEDGE REPORT

2016年3月6日

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 ニューヨーク州検察局は13年に「不法なビジネス行為」の疑いで捜査に乗り出したが、トランプ氏は「大学は98%の学生から満足との回答を受けている」「そもそも出訴期限を超過しており刑事訴追の対象にならない」などと抵抗していた。

 いったんは起訴が見送られたが、スーパーチューズデー当日にニューヨーク上告裁判所が捜査継続、起訴へのゴーサインを出した。裁判所はこれに加え「トランプ氏個人に責任がある」との認識も明らかにした。

 トランプ大学については、ニューヨークだけではなく全国からおよそ5000人の「学生」が集まったこともあり、各地で個別に訴訟の手続きも進んでいる。カリフォルニア州では昨年トランプ大学に対し詐欺罪での起訴を認める判決が下った。

暴言で対抗にするトランプ氏

 これについて、トランプ氏はとんでもない暴言を吐いている。このカリフォルニア州の判事、ゴンザロ・クリエル氏は「ヒスパニックだから自分に対して偏見を持っている」と発言したのだ。

 クリエル氏はインディアナ州立大学の出身で、判事になるまでの17年間はカリフォルニア州で地方検事を勤めた人物。12年にオバマ大統領によって連邦地裁判事に任命された、れっきとしたアメリカ人。トランプ氏は単に名前だけでヒスパニックと決めつけ、理由もなく判事を侮蔑したことになる。

 この暴言、様々な問題をはらんでいる。大統領には連邦裁判所の判事任命権がある。もしトランプ氏が大統領になったら、「ヒスパニックだから」「イスラム系だから」という理由で判事任命を拒否するのでは、という疑いが浮上する。一国の大統領としてふさわしい公正な人物、とはとても言えない。そもそもこのような人種差別的な文言で連邦判事を侮蔑する、というのは大統領候補になる人物としてあり得ない態度だ。

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