フェイスブックCEOマーク・ザッカーバーグの揶揄
ただしグーグルやフェイスブックが行っているのはあくまで「一部」の公開であり、Open AIのようにすべてを公開するものではない。両社にとってOpen AIはある意味でプレッシャーになるが、フェイスブックCEOマーク・ザッカーバーグ氏は今年3月、これについて「マスク氏のAI『恐怖症』はちょっと異常」と軽く揶揄する発言を行った。
ザッカーバーグ氏とマスク氏は「シリコンバレーの仲良し企業家」として知られ、ザッカーバーグ氏としても真っ向からマスク氏を非難しているわけではない。しかし「スカイネットのような、人類をはるかに凌駕するネットワークシステムができるのはまだまだ先の話。自動運転ですら実用化にこの先何年もかかる状況で、そこまで怯える必要があるのか」と疑問を呈する。
ただし、マスク氏は英国の「ディープ・マインド」という「AIのアポロ計画」と評された企業に投資した経験がある。ディープ・マインドはその後グーグルによって買収されたが、この時の経験がマスク氏の中に何らかの警鐘を鳴らしたのかもしれない。
オープンソースのAI開発は、AIをスカイネットに成長させるほどのインパクトを持つものなのか。それともネット業界にさらなる犯罪を蔓延らせる結果となるのか。テスラのEV技術、高速移動装置「ハイパーループ」など、自らのアイデアをオープンソースにするのが好きなマスク氏だが、AIは吉と出るか凶と出るかが不透明な分野でもある。
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