米国でアンバンはほとんど知られていなかった企業だが、このホテル爆買いにより注目を集めるようになった。特に、その企業経歴に興味が持たれている。アンバンは創立が2004年で、自動車保険会社として創業、当時の資産総額は7500万ドル相当だった。それがわずか10年と少しで現在の資産総額は2500億ドルと言われる。
背後で噂されるアンバンと中国政府との深い関係
背景に、アンバンと政府高官のつながりが噂される。アンバン関係者には鄧小平の孫娘、その夫(アンバンの会長)、朱鎔基の息子、元中華人民共和国元帥だった陳毅の息子などがいる。つまり政府がバックとなって海外不動産を買い漁っている、という疑惑も持たれる。
ちなみにアンバンは韓国サムスンと提携関係にあり、IoTの分野でアンバンが経営する世界中のホテル、高級アパートなどの「スマートホーム」化を進める、と発表している。
スターウッドの売却に関しては、マリオットが契約続行を強く主張しており、「金か世間的なイメージか」が突きつけられている。一方で昨年にはフランスのホテルチェーン「アコール」が米国のフェアモント、ラッフルズホテルチェーンを買収するなど、米国のホテルは「儲かる」と世界中の注目を浴び始めている。
ところで米国の儲かるホテルといえばラスベガス。現在ではマカオのカジノはラスベガスを上回る規模だが、ラスベガスのノウハウを学びマカオで経営を成功させている中国が、ラスベガスに逆輸出で進出する可能性は大だ。今後ラスベガスが中国投資のホットスポットになるかもしれない。
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