WEDGE REPORT

2016年4月8日

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 ユナイテッドはアルト・エアだけではなく、昨年には米国内の別の代替燃料開発会社、フルクラム・バイオエナジー社に3000万ドルを投資した。フルクラムは産業廃棄物などから低価格のサステイナブル・ジェット燃料を作り出す研究のパイオニアだ。これらの活動により、今年に入ってユナイテッドはワールド・バイオ・マーケットからバイオ燃料促進に対する賞を受けている。

 米国初のバイオ燃料を使った飛行機がロサンゼルスを拠点にする、という点についてロサンゼルスのガルセッティ市長は「サステイナビリティについて世界のリーダーでもあるロサンゼルス市が米国初のバイオ燃料航空機の拠点となるのは非常に理にかなったこと。ロサンゼルスとユナイテッドは航空業界の新しいサステナビリティのスタンダードを築いた」と絶賛した。

バイオ燃料に対する懸念材料

 良いことづくめのように聞こえるバイオ・ジェット燃料だが、他の航空会社や他国で広がらないのはなぜか。そこには2つの大きな問題が存在する。

 一つ目は、コスト面だ。今回ユナイテッドはアルト・エアとの燃料購入価格について公表していない。一般的にバイオ燃料はガソリンと比べて価格が高い。トウモロコシ原料のエタノールの場合は特にそうだ。原油価格が高騰していた時代ならともかく、現在の原油安の中で航空機燃料が割高になる、というリスクがある。そのためユナイテッドはアルト・エアと全面的な提携は取らず、独自に低価格バイオ燃料開発を目指すフルクラムに投資している。

 次に、バイオ燃料はエンジンを傷める可能性が指摘されている、という点だ。自動車でも新しいモデルはバイオ燃料対応エンジンとなっているが、旧型モデルではバイオ燃料によるエンジンへの負担が指摘されている。航空機の場合はまだ導入が始まったばかりだが、安全面を考えてバイオ燃料の導入を躊躇する航空会社も多いはずだ。

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