WEDGE REPORT

2016年4月8日

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得をしたのはトウモロコシ農家だけ

 また、エタノールを多用するバイオ燃料が増加すると、原料となるトウモロコシが不足し家畜飼料の高騰、ひいては牛肉などの価格が跳ね上がる、という悪循環が生まれる。これはすでにブッシュ政権時代に起こったことで、政府がトウモロコシを買い上げエタノールを生産したため世界的な穀物不足が起きた。「得をしたのはトウモロコシ農家だけ」という批判が噴出した。

 アルト・エアは「農産物の廃棄部分などを原料として使用」とうたうが、現在の技術では安定してエタノールを生み出せるのはトウモロコシ原料のみという中で、同社がどこまでこの方法で燃料供給を続けられるのかは未知数だ。カリフォルニア州では農産物の廃棄物でバイオマス発電を、という動きがあったが、結局風力やソーラーと比べてコストが高いため次々に計画が廃止となった。バイオ燃料も同様で、現在ゴミから安定してエタノールやメタノールを得る技術は確立されていない。

 しかし、ユナイテッドがバイオ燃料の定期便を飛ばす、というのは歴史的快挙であることに間違いはない。始めはロサンゼルスーサンフランシスコの短距離のみだが、いずれ国際線にもバイオ燃料が導入される日が来るかもしれない。今後しばらくはジェット燃料へのバイオ導入がホットな動きになりそうだ。


  
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