さらに、2017年にはGMが同じく3万5000ドルのEV、シボレー「ボルト」を販売する。こちらは大々的な予約販売は行っていないが、実際に販売となれば顧客は2つのモデルを比較して購入することになるため、ボルトの内容がモデル3を上回れば予約を取り消してボルトに流れる注文者も一定数出るはずだ。
BMWはシアトルでi3のシェアサービス開始
そして最新の「テスラストップ」の流れは、BMWによるEV、i3のシェアサービス投入だ。4月10日、BMWは米ワシントン州シアトルでi3のシェアサービス開始を発表した。専用アプリを使い、5分で車を予約できる。料金はおよそ1分間に49セント。今年中に全米の複数の都市に同様のサービスを導入するという。 BMWのプレミアムEVが手頃な価格で利用できる、というサービスがモデル3の発売前に全米に広がれば、モデル3の売れ行きにも影響を与えることになるかもしれない。
このように、様々な問題や懸念を含むモデル3デビューだが、1つのモデルが予約段階でベストセラーに迫る勢いの受注、というのは米自動車業界にとってかつてない現象であり、テスラが自動車販売の歴史を塗り替えたことに間違いはない。2017年に実際に何台のモデル3をテスラがデリバリーできるのかがテスラ自身の、そして米のEV普及の未来を左右することになるだろう。
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