2022年11月27日(日)

定年バックパッカー海外放浪記

2016年5月5日

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高野凌 (たかの りょう)

定年バックパッカー

1953年、横浜生まれ。神奈川県出身。大学卒業後は商社、メーカー勤務を経て2013年定年退職。2014年春から海外放浪生活を始める。放浪歴は地中海、韓国、インドシナ半島、インドネシア、サンチアゴ巡礼など。サラリーマン時代は主として海外業務に従事。ニューヨーク、テヘラン、北京にて海外駐在を経験。身長170センチ、57キロ。獅子座。A型。現在2人のご子息は独立し、夫人との2人暮らし。孫1人。

束河古鎮の呆れた人々

 束河古鎮の入口に聳える大門。映画ロケ地として有名になってから観光名所らしく建設されたもの

 2月14日 高倉健主演の日中共同制作映画「単騎千里を走る」のロケ地となった束河古鎮を訪問。高倉健主演の「君よ憤怒の河を渡れ」は中国で累計8億人の観客を動員して空前の大ヒットとなったと聞いたことがある。それで日中共同制作の運びとなったという。ちなみに中国人で40歳以上の人はほぼ全員高倉健(ガオツンジェン)を知っており共演の中野良子(ジュンイエリャンズ)も知られている。

皇帝に献上された名水が湧き出る九鼎龍潭

  束河古鎮には皇帝に献上された名水が湧き出る池があり観光名所となっている。それだけに池の周囲は柵で囲われておりゴミ捨て禁止の注意書きが至る所に貼られている。私が池のほとりの東屋で清らかな湧き水を眺めていたら、いきなり後ろから空き瓶のペットボトルが飛んできて池の真ん中に落下した。振り向くと小学校3年くらいの男児が次のペットボトルを投げようとしていた。男児は他の数人の子供達に力自慢を見せつけるように大きなモーションで力いっぱいペットボトルを池の中央に向かって投げ込んだ。私が呆気に取られているとさらに3本目のペットボトルに手を伸ばした。

 近くには子供たちの保護者と思しき老婆が5、6人子供たちの遊びを見守っていたが誰も注意をしようとしない。私は思い余って男児に走り寄って男児の手を掴んでペットボトルの投げ捨てを制止した。男児は私の顔を睨み付けてから老婆たちに向かって何か叫んだ。老婆たちは慌てて駆け付けてきて私に向かって男児の手を放すよう口々に大声で喚いている。

九鼎龍潭の湧き水を泳ぐ錦鯉の稚魚。これを狙って男児はペットボトルを投げ込んだ。

 私が男児の手を放すと代表の老婆が「子供に乱暴するのは許せない」というような趣旨のことを言って私を非難している。私は「男児がペットボトルを投げ捨てるのを止めようとしただけだ」と身振り手振りを交えて説明。そしてゴミのポイ捨ては禁止されていると注意書きを指しながら言った。老婆たちはいっせいに「小さな子供に罪はない」「子供が楽しく遊んでいるのがなぜ悪い?」「外国人が勝手に小さな子供をイジメるとは何事か」などと激しく私を非難し始めた。そして「ペットボトルなんかは清掃員が掃除するから何の問題もない」「外国人が余計な口出しをするな」と興奮した口調で喚いた。私はほうほうの体で逃げ出すしかなかった。

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