2022年12月4日(日)

定年バックパッカー海外放浪記

2016年5月5日

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高野凌 (たかの りょう)

定年バックパッカー

1953年、横浜生まれ。神奈川県出身。大学卒業後は商社、メーカー勤務を経て2013年定年退職。2014年春から海外放浪生活を始める。放浪歴は地中海、韓国、インドシナ半島、インドネシア、サンチアゴ巡礼など。サラリーマン時代は主として海外業務に従事。ニューヨーク、テヘラン、北京にて海外駐在を経験。身長170センチ、57キロ。獅子座。A型。現在2人のご子息は独立し、夫人との2人暮らし。孫1人。

 私が「なぜ民衆に直接接している共産党の末端組織が条例違反者を黙認しているのですか」と問うと「共産党トップがゴミ問題や禁煙対策に関しては本気でやる気がないから、下部組織の党員さらには現場の人間もやる気がないのでしょう。共産党トップは長年にわたり文明精神(公徳心)向上を唱えていますがそれは単に形式的なお題目です。内政面では社会秩序維持・経済成長という支配者にとり政権維持に関わる切実な問題が最優先事項ですから」との回答。

香格里拉の独克宗古城(旧市街)の街角のチベット仏教の仏塔
香格里拉旧市街の中心、大亀山公園の巨大マニ車。全員で力を合わせてマニ車を押す

 私は彼の分析に納得した。私の経験では中国共産党は過去30年文明精神(公徳心)向上を目標としてきた。しかし共産党による継続的な公徳心向上のキャンペーンにも関わらず草の根レベルではほとんど効果が上がっていないように思われる。シンガポールのように強権を以って条例に基づき取り締まりを強化すれば簡単に効果が上がるはずであるが上層部が本気でなければ誰も動かないであろう。中国は法治主義ではなく人治主義国家であるといわれるがその通りである。

 共産党指導部は大衆にゴミやタバコのポイ捨てを厳格に取り締まれば拡大する経済格差や官僚の汚職などで鬱積している大衆の不満に火をつけると懸念しているのではないか。共産党指導部の衆愚政策の一環としてポイ捨てを意図的に放置していると推測するのは考えすぎであろうか。

⇒第5回に続く

  
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