使えない上司・使えない部下

2016年5月24日

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 仕事を終えると、酒に誘われるのです。これが、苦痛で仕方がなかった。「仕事を教えてやっているんだから、酒を飲ませろ!」と言ってくる。毎週ですよ。新橋などの飲み屋に強引に連れていかれ、付き合わされる。情け容赦なく、引きずり回されるのです。最後は「割り勘」と言って、私にも半分の額を支払うように命じるのです。当時、給与が14万7000円で、手取りは11万円を切っていた。毎月、手元にお金がないのです。

社会保険労務士の中村紳一さん(53歳)

大卒を目の敵にするタイプ

 しかも、「割り勘」と言いながら、上司はどんどんと飲んでいます。私は、お酒が好きじゃない。ほとんど飲めない。結局、お金を払うだけ。割に合わない「割り勘」……。会社員になるって、こういうものかな、と言いきかせるようにしていました。苦痛意外、何物でもないですよ。

 大卒の新人の私をとにかくいびってやろう。お金を巻き上げてやろう。そんな思いの上司にしか見えなかった。高卒の人で、大卒の人を目の敵にするタイプがいるでしょう? 私は、上司の学歴なんて気にしていませんよ。あの上司は、ひとりでひがんでいるのです。

 大卒で社会人になるのが22歳だとして、高卒で働く人の中には、そのときに家族を養っている人もいるでしょう。すこいことじゃないですか……。高卒の人は大卒の人と比べて、視野がやや狭い感じがしますけどね。大学の4年間は、無駄ではないのです。

信じられないくらい安い給料

——高卒の上司はなぜ、そこまで部下をいびったと思われますか?

 あそこまで大卒の部下たちをいびるのは、不満を抱え込んでいたからじゃないでしょうか。給料が信じられないくらいに安い。50代の部長職で、給与が手取り25万円前後ですよ。当時の相場は40~50万円はいくでしょう。社員が数千人もいる東証一部上場の企業なのですから……。高卒の上司の給与はもっと低かったはず。大卒で新卒の私よりも数万円高いくらいだったのだと思います。

 高卒ということでハンディを負っているようには見えました。なかなか、上には上がれないようでした。私たちが大卒であることで優遇されていると思ったこともあります。その後、北海道の支社への転勤を打診されたのです。

 難色を示したところ、人事部は、関西の支社に転勤することに変えてくれた。私が関西を希望していたことを考慮してくれたみたいでした。高卒の人たちには、そんな配慮をあまりしていなかったようですね。高卒の上司は、転勤先を変えてもらった私に思うことがあるようでした。部下を見る目じゃないんですね。会社員をしていくうえで、嫉妬ほど怖いものはないですよ。

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