2024年4月25日(木)

古希バックパッカー海外放浪記

2016年8月14日

町の中にある共同墓地、後ろは木材をふんだんに使用したミディー・ピレネー地方独特の建築様式のホテル

 彼女は20歳くらいであろうか。スリムジーンズを穿いて白いシャツを着て清楚な印象。長い金髪やあどけない横顔に魅入られてしまう。美少女と木陰で親密にお話しするのは大変楽しいが、ここらで適当にお断りしないと「カルト屋敷」(メゾン・ド・カルト)に連行されてしまう。

 私は「大変残念です。お誘いに感謝します。是非とも食事会に参加したいのですが、私は実は仏教徒なのです。そして今日は仏教徒の断食の日なのです」と紳士的にお断りすると、彼女はがっかりしたような少し怒ったような表情をして肩をすくめて退散した。

ピレネー越え前夜祭、
サン・ジャン・ピエ・ド・ポーにて

 5月31日 朝6時から26km歩いて遂にピレネー山脈のフランス側の登山口の町、サン・ジャン・ピエ・ド・ポー(St.Jean pie de port)に到着した。4月25日にル・ピュイを出発してから37日間で753kmを踏破したことになる。

 街は城壁で囲まれており、大きな城門を通って街に入る。石畳のメインストリートは巡礼者で賑わっている。サン・ジャン・ピエ・ド・ポーはおそらくヨーロッパ各地に広がるサンチアゴ巡礼道沿いの街のなかで年間を通じて最も多くの巡礼者が集まる場所ではないか。

 サン・ジャン・ピエ・ド・ポーを起点としてピレネー山脈を越えてスペインのバスク地方に入り“牛追い祭り”で有名なパンプローナ、ワインで知られるリオハ地方を経てシェラレオネ山脈を越えて、それからガリシア地方の高原台地を進み聖地サンチアゴに至る全長約750kmの区間が映画や小説で何度か紹介されており最もポピュラーなコースになっているからだ。

(写真右)フランス側のピレネー山脈の登山口、サン・ジャン・ピエド・ポーの城門
(写真右)サン・ジャン・ピエド・ポーの城塞のお濠

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