6月7日‐8日、モディ印首相はオバマ大統領の招きに応じて訪米しました。米側は米議会両院合同会議でモディ首相に演説の機会を与えるなど、好意的な日程をオファーしました。社説は、この訪米とその際の成果を歓迎したものです。
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アジアに与える影響
「米印関係は21世紀を定義づけるパートナーシップ」というオバマの言明をモディ首相も繰り返すなど、米印関係の雰囲気はこれまでになく良いものになっています。中国のインド洋進出や南シナ海での国際法に反する行動が米印関係強化の一つの背景であることは明らかです。米印関係強化がアジア情勢の今後に与える影響は、わが国としても歓迎できるものと思われます。
WSJ紙はこの社説と共に、スタンフォード大学のフーヴァー研究所の研究員、ヴァラダラジャンの米印関係強化を歓迎する論説も併せて掲載しています。この中で彼は、米印関係は肌合いの違うブッシュ大統領とシン首相の間で、オバマ大統領とモディ首相の間で、強化・深化してきたことを指摘し、今後もこの関係強化は続くだろう、一時的な現象ではない、としています。その通りでしょう。彼はインドの世論調査で米を好意的に見るインド人は70%に上り、否定的に見る人は8%に過ぎないとも指摘しています。
米印関係の緊密化は今後、アジアの地政学的構図にじわじわと影響を与えていくものと思われます。