2024年12月23日(月)

ビジネスパーソンのための「無理なく実践!食育講座」

2016年7月11日

 小中学校の食育授業などで、九九(くく)のように覚え込ませてしまうか、「守らないと致命的な病気になってしまいますよ」と脅された中高年が必死で覚えるか、しか身につかないのではなかろうか。日常業務に忙しいビジネスパーソンには、これとてハードルが高い。

一日に三〇の食材を食べる健康法を勧める

 では、そんなことをしているヒマが(やる気も)ないビジネスパーソンが「バランスよい食事」をとるためにはどうすればいいのか・・・。私が勧めるのは『一日三〇食品』を食べる方法だ。

 これはまったく根拠のない食事法ではない。2005年に『食事バランスガイド』が発表されるまで、厚生労働省が「健康に長生きするための食事法」として推奨していた方法である。年配のビジネスパーソンなら聞いたことがあるはず。

 その日食べた「食材」を、1つ、2つ、3つ・・・と数え上げていけばいい。小学生以上ならだれにでもできる方法だ。もちろん多少の数え間違いなど気にしなくていい。いたって簡単で、有効な食事法だと、私は今でも思っている。

 なぜこれが『食事バランスガイド』にとってかわられたのか? 基本的にはエビデンスがイマイチだったこと。つまり『一日三〇食品』を食べる方法よりも『食事バランスガイド』による食事法のほうが、たしかであるという科学的根拠が揃ったということ。

 ただし、絵に描いた餅よりも小さなきびだんごのほうが腹の足しになるように、まったく実行不可能な『食事バランスガイド』よりも、多少は実行可能性のある『一日三〇食品』のほうが、ビジネスパーソンにとっては有益であると、私は考える。

 『一日三〇食品』法の神髄は「食材の数」ではない。「できるだけ多種類の食材を食べる」という点にある。これを心がけよう。やってみるとわかるが、食材の数を増やすためには、野菜の種類を増やすしかテがない。「肉で3種類」とか「魚で5種類」とは至難の業。つまりは「多種類の野菜を食べよう」という提案になる。


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