2024年11月22日(金)

前向きに読み解く経済の裏側

2016年9月26日

夫は妻より機会費用が高いから家事は妻がやるべき?

 夫婦の家事分担に関しては、様々な観点がありますが、本稿では機会費用の観点に絞って考えてみたいと思います。

 夫が妻に「僕の年収を労働時間で割った時給は、君のパートの時給より遥かに高い。だから僕が家事を分担する機会費用は高い。だから家事は君がやるべきだ」と言ったとします。正しいでしょうか?

 正しくありませんよね。夫が家事をするケースとしないケースを比べると、夫が遊ぶ時間が増えるだけで、夫が働く時間も夫の収入も増えないからです。夫は家事から解放されたからと言って、命じられてもいない残業をして残業代を稼ぐわけには行きません。かと言って、コンビニでアルバイトをすれば兼職規定に違反しますし、第一妻のパートの時給より安くなってしまうでしょう。

 では夫は何と言えばよいのでしょう?「僕が家事をする代わりに英語の勉強をすれば、僕の生涯所得は大きく増える。それが僕が家事をする事の機会費用だ」と言えばよいのです。

 それなら、理屈は通っています。あとは、英語の勉強をサボった途端、妻からの軽蔑と家事の負担が押し寄せて来るというリスクを夫が背負う、という問題が残りますが(笑)。

  
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