前向きに読み解く経済の裏側

2016年8月1日

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塚崎公義 (つかさき きみよし)

経済評論家

1981年 東京大学法学部卒、日本興業銀行(現みずほ銀行)入行。主に経済調査関連の業務に従事。2005年 銀行を退職して久留米大学へ。現職は久留米大学商学部教授であるが、当サイトへの寄稿は一個人として行うものであるため、肩書きは「経済評論家」とする。

 過激な案は、いくつも思いつきます。たとえば資産課税で家計金融資産1700兆円の半分を税金で召し上げてしまえば、財政赤字はほぼ解消します。さすがの筆者もこれは推奨しませんが、頭の体操としては、「消費税を未来永劫20%にする」のと「一回だけ資産課税をする」のと、どれくらい違うのか、冷静に考えてみることも必要かと思っています。

 相続税率を100%にすれば、日本の高齢者は平均すれば金持ちですから、莫大な税収が見込めるでしょう。これは極端だとしても、「相続税率を大幅に引き上げる。一方で贈与税率を引き下げ、高齢者から子や孫への生前贈与を促す」政策ならば、現実的かも知れません。

 ここまでで、最悪でも政府の破産は無いということを確認した上で、上記のような極端な手段を採らなくても国債が償還でき、日本政府が破産しない、ということを示していきたいと思います。

少子高齢化で増税が容易になる

 バブル崩壊後、日本経済の長期停滞期には、失業問題が深刻でした。そこで、時として大胆な失業対策としての公共投資が行われましたし、そうでなくとも「費用対効果の乏しい歳出」が続く傾向がありました。「この歳出を止めると、現在この仕事に就いている人が失業してしまう」という反対論が強かったからです。

 また、増税も容易ではありませんでした。「増税をすると景気が悪化して失業が増える。そうなると税収が落ち込むのみならず、再び失業対策の公共投資が必要になってしまう」という反対論が強かったからです。中には単に税金を払いたくない人が景気悪化を理由として反対していただけの場合もあったでしょうが、そうした人に反対の口実を与えていたのが失業問題だったと考えれば、やはり失業が増税を困難にしていたのです。

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