2024年7月15日(月)

世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2016年9月1日

 原発の建設には常に建設費の問題があります。原発の電力のコストは他のエネルギー源に比して低いと言われますが、建設費が高騰する場合にはその利点はなくなります。

建設見直しは当然のこと

 ヒンクリーポイント原発計画が、原子力技術と原発の輸出の点からフランスにとって、戦略的重要性から中国にとって重要なのは明らかです。英国にとってフランス、中国との関係が重要なのは確かですが、最も重要なのは建設費で、十年前に比べて4倍となった今、英国がフランス、中国との関係はさておいて、建設を見直すのは当然のことです。

 中国との関係については、英国は経済的利益を最優先する傾向を強めていました。アジアインフラ投資銀行(AIIB)にもいち早く参加を決めました。確かに東・南シナ海は英国から遠く、英国の安全保障にとって優先的な問題ではありません。しかし、法の支配の遵守は英国にとっても重要な問題であるはずで、中国との経済関係については節度を示すことが望まれます。その意味で、今回、ヒンクリーポイント原発計画が習近平の威信にかかわるものであるにもかかわらず承認をしなかったのは、歓迎すべきことです。
 

  
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