2026年1月21日(水)

世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2026年1月21日

 ワシントン・ポスト紙コラムニストのザカリアが、1月2日付けの論説において、その場しのぎの和平合意は侵略を正当化してしまうが、ウクライナが強固な基盤を持つ永続的な和平合意を獲得できれば、抑止や西側同盟は今後も有効性を失わないだろうが、状況は厳しい、と論じている。要旨は次の通り。

(AP/アフロ)

 ウクライナの運命はおそらく今年中に決まり、それがどうなるかで世界の秩序は重大な影響を受けることになろう。

 状況は厳しい。当初から第二次トランプ政権は、ウクライナに圧力をかけて譲歩させるのが和平に必要な「現実主義」であり、プーチンはそうした譲歩を提示されれば和平に合意するはずだ、とする単純かつ無節操な方針を採ってきた。

 昨年12月末、ウクライナのゼレンスキー大統領は和平案の一環として15年の安全の保証を米国から提示されたが、ゼレンスキーが望んでいたのは対露抑止のための50年の保証だった。15年の保証は現実には無意味に近い。

 期限付きの保証は、モスクワには「時機を待て、軍を再建し、期限切れ後に戻ればよい」と告げ、世界中の投資家たちには「ウクライナへの長期的関与は賭けだ」と告げているに等しい。ある期日を境に安全保障が不確実になるのが明らかな国の経済再建に、誰が資金を出すだろうか。

 ウクライナ戦争は究極のテストケースと言える。これは単なる国境紛争ではなく、21世紀の地政学に「征服」が公然と戻ってくるかを問うものだ。

 ロシアが力による領土の占領を許され、西側が犠牲者であるウクライナに圧力をかけて占領が承認されるようなことになれば、ルールに基づく国際秩序は空洞化するだろう。とりわけ中国の支配力が増すアジアにおける影響は大きい。

 しかし、ウクライナが、再建と投資を呼び込めるような長期の安全保障を提供してくれる和平合意を獲得できれば、西側は今も抑止は有効で同盟には意味があり、さらに民主主義国はならず者国家への関心を失わないということを示したことになる。


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