「万一、衆院解散が見送りになっていたら暴落していただろう」――高市早苗首相が14日夕に鈴木俊一自民党幹事長、吉村洋文日本維新の会代表(大阪府知事)らに「通常国会の開会後の早期解散」を伝えたことを確認して、ある株式ストラテジストはそう漏らした。
株式市場の関係者で、高値警戒感を持っていない人はいない。衆院解散など株高を支えている材料が消えたり、「AI、半導体ブームが続く」とのシナリオが崩れたら、容赦ない売りが飛び出しそうな状況だ。
いつ売るか、何をきっかけに売るか、そればかり考えているという投資家がいる。その一方で、「この上げトレンドにはついていかないわけにはいかない。儲けそこない、ライバル機関投資家に遅れを取るわけにはいかない」と日本株買いを継続している機関投資家がいる。いつか崩れると思いながらも、プロたちも買っている。「赤信号、みんなで渡れば怖くない」式に、買いを入れている。
バブル期ピークと並ぶバフェット指数
株式市場も行き過ぎ感、エスカレート症状を示している。衆院解散報道を受けた1月の連休明け13日の東京市場で、株価は高騰。日経平均が1609円、3.1%も上げた。
だが、その上げの55%はソフトバンク・グループとアドバンテスト、東京エレクトロンの3銘柄に集中し、株全般が上げ潮に乗っているとは言い難い。投資資金が特定銘柄に集中している。
株価の割高、割安を判定する代表的な指標、株価収益率(PER、株価を一株利益で割った倍数)は、解散報道直後の13日についに20倍を上回った。4年ぶりのことだ。日本株市場の経験則として、PERは15~20倍と言われており、上限を抜けた。
今の日本株はバブルなのか、それともバブルとまでは言えないのか。
株価がバブルかを判断する基準として定評のあるのが、米国の著名投資家バフェット氏が唱えたところからバフェット指数(株式の時価総額をその国の経済規模を示す国内総生産(GDP)で割ったもの)。現在175%。1970年代以降の平均70%を大きく上回っている。日本のバブル期のピークとされる、89年末も170%程度で、実はバフェット指数はバブル期ピークと肩を並べてしまっている。
