2026年1月20日(火)

Wedge REPORT

2026年1月20日

 上昇スピードも速い。今年に入ってからは、衆院解散報道で一気に上げている。上昇が加速しているように見えがちだが、高市政権が発足した昨年10月21日から約3カ月でみれば9%の上昇。日経平均は1年前と比べ37%も上昇しており、高市政権発足前からかなり高速で上げてきている。

 失われた30年と言われる過去と比べてみよう。90年代は日経平均が下落した年もあり、均してみてもほぼトントン。失われた30年は株価が上がらなかった期間だ。ところが2024年以降は様変わりだ。日経平均は24年に19%上昇、25年は26%上げとポスト・コロナの2年はハイペースだった。実は、この2年とは日銀総裁が黒田東彦前総裁から植田和男総裁に代わってからの2年でもある。

政権に顔を向ける植田日銀

 メディアでは高市政権の財政拡張策とそれへの期待が、株式市場での買い材料との論調が強い。しかし、個別株をみるとそうは見えない。足元で上げている株は、AI、半導体関連で、いわゆる高市銘柄とされる防衛産業の株はむしろ出遅れている。

 株式市場にはマネーが流入している。簡単に言えば、金余り相場だ。市場関係者のメインシナリオは、「高市政権が衆院選で勝って長期化が見えてくるなら、政権が利上げを嫌い、いよいよ日銀は金利上げに動けない」というものだ。

 日銀では植田総裁が就任した24年春以来、ゼロ金利からの脱出という金融政策の「正常化」へ舵を切ってきた。この2年の首相は岸田文雄氏と石破茂氏。2首相は利上げによる金融政策の正常化に理解があった。だが、昨年10月21日に就任した高市首相はアベノミクスの継承者を自任しているだけに、財政拡張と金融緩和の継続のリフレ政策を指向している。

 円安の進行もあって昨年12月の利上げは容認したが、今後については利上げ策をけん制している。12月の利上げ後の会見で植田総裁は、決して利上げに傾斜することはなかった。財務相を通じて伝わってくる高市首相の利上げに慎重な姿勢に配慮してのことだった。

 植田総裁は就任以来、事実上3回の利上げを実施してきた。1回目が24年7月で、政策金利(コールレート翌日物金利)を0.1%から0.25%に引き上げ、2度目は25年1月で0.25%から0.5%に引き上げ、3回目は昨年12月の0.5%から0.75%への利上げだ。

 3回のうち、前の2回はいずれも利上げ後対ドルで20円程度の円高が実現した。だが円高は持続せず、円安に動いてしまい追加利上げに追い込まれてきた。

 昨年12月の利上げの際には直後から円安が進んでしまった。12月19日の利上げ前日の円相場は1ドル=155円台だったが、最近の円相場は13日に一時159円台をつけるなど、過去に介入を実施してきた水準にまで下がっている。


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