したたか者の流儀

2016年9月14日

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 本論に戻せば、フランスのいくつかの町では、法律でブルキニでの海水浴を禁止してしまった。15年ほど前にブルカをフランスの学校でかぶることについて激しい議論があった。フランスの公立学校・公立病院は、LAIQUEといって非宗教が原則だ。とはいえ自由・平等・博愛なので強く禁止も出来ない。そもそも、フランス革命はブルジョワがカトリックの縛りから切り離す意味合いもあった。したがってフランスではLAIQUEはとても重いものだ。フランスは共和国になり、憲法上からも公共域での宗教性が厳格に排除される事は確認されている。

フランス政府のお手並み拝見

 今回も、国家的にブルキニを放置することもできない。しかし、公共とはいえ砂浜でのことだ。市町村の条例違反という事態も起きている。欧州各国は今後どうなるかと言うので、フランス政府の“お手並み拝見”とばかり興味津々で見ているのが現状だ。このニュースは日本にも伝わっているが、日本では実感がわかないのでパスしている。

 日本人は、平気でメリークリスマスと言ってカードを外国人に送りつけるが、相手はキリスト教でないことも多々あるだろう。極東から届いたので笑って受け取るが、お隣の住人から届いたら憤慨するに違いない。したがって、国際経験の長い企業は、カードは送るが、メリークリスマスとは絶対に印刷しない。八百万の神のいる日本人には、かなり注意しないとスカーフ一つでも収拾のつかない問題を引き起こすことを肝に命じよう。本件、百戦錬磨のフランスでさえ、もてあましている。

 何十年か前のモノキニ騒ぎの方は、秋風とともに消えた。ブルキニ騒ぎは消えない。根深い問題だから。いつの日か同種の問題が日本でも起きるような気がしてならない。

  
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