2024年12月19日(木)

山師の手帳~“いちびり”が日本を救う~

2016年10月12日

見方を変えればどうなのか?

 「世界のベスト空港」は3年連続1位、「最も住みやすい都市」でも1位、「ビジネスに適した国」でも世界1位、「IT技術活用度」まで世界1位で、株の売買が非課税で、相続税もないという素晴らしい部分もあるが、考えてみればこれも富裕層にとってメリットがあるだけで一般人にとっては手放しで幸せだということにはならない。

 このようにすべてが素晴らしく見える裏には、実は厳しい「規律」が存在するので、今やシンガポールは「明るい北朝鮮」などと揶揄されている。

マリーナベイ(iStock)

覇権を求める大国の価値観

 僕は既に世界中の105カ国を回り、長期間過ごした国はアメリカ、中国、ロシアなどだが、これらの大国に住んでみると幸福感はあまり感じられなかった。これらの大国はビジネスには好都合だが、実際に住んでみると競争社会なので一般市民にとって幸福感はないと思っている。

 大国の三大条件とは人口、軍事力、資源を挙げることができるが、最近では世界の覇権を求めるという大国的発想そのものが時代遅れではないのかという気がしている。

 国連による幸福度ランキングではスイス、アイスランド、デンマーク、ノルウェイ、カナダ、フィンランド、オランダ、スウェーデン、ニュージーランド、オーストラリアがトップ10だ。
ちなみに日本は46位だが、まだましなほうだ。この中には大国は一切入っていない。

 米国や日本の真似をして経済大国に成りあがったシンガポールの幸せランキングは繰り返しになるが、今や世界最下位の148位なのだ。

 無論のこと、モノの見方によって幸福感の尺度は変わってくるので、これらの幸せランキングを鵜呑みにするつもりはないが、少なくとも経済力や軍事力や資源力だけが国家の価値だという考え方は明らかに変化してきていると思う。

幸せの6項目とは?

 現代人の幸福感を具体的に分類すると、いくつかの要素が浮かび上がってくる。つまり、その要素は以下の6項目にまとめられると考えている。

1 教育文化レベルが高い
2 IT分野に強みがある
3 自然環境と治安が整備されている
4 医療費と教育費がかからない
5 労働時間が比較的に少なくおおらかで親切な国民性
6 物質主義ではなく精神性が高く、趣味や家庭を大切にしている

といった要素が見られる。


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