山師の手帳~“いちびり”が日本を救う~

2016年10月12日

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 9月のウェッジのコラムの『中国人は幸せか? 不幸せか』にも書いたが、中国の貧富の格差社会は幸せには見えない。鄧小平の「先に豊かになれる者から豊かになれ、そして落伍した者を助けよ」という「先富論」は、経済面からすると正しい判断だ。しかし、「社会主義自由経済」による「金権主義」だけでは決して幸せになれないという現実を見ていると、中国の経済力は改善したが、その生活をみると単に格差社会を進めただけだと言っても過言ではない。

日本は何を求めるべきか?

 我が国、日本もこれからは真剣に「幸福感」について発想の転換をする必要がある。大国の条件である「人口」については「世界の幸せな小国」をお手本にして、少子化を強みに変える方策を考えるべきだ。「軍事大国」を目指すのではなく軍事の基礎になる「技術立国」を目指すべきだし、資源の確保についてもグローバル経済の中で日本の経済力を活用した世界の資源企業を傘下に収める手法を模索することが賢明だろう。

 私の本業は「レアメタル専門商社」だが、産業の空洞化が進むならば、資源が必要な産業は海外に移転させて日本国内には「技術大国」としてのR&Dセンターを強化し、世界の産業界をリードできるような「平和大国」を目指すべきだと考える。日本も古い価値観の覇権大国を目指さず、小国の良さを追求したほうが国民は幸せになると思う。もう無理かもしれないが(笑)。

 日本にとって「教育」「IT分野」「自然環境と治安」については、まずまずのレベルだと思うが「医療費」と「教育費」や「労働時間」と「おおらかさ」そして「精神性や趣味や家庭を大切にする」要素については今後の日本のテーマだと考えています。

 世界を回れば回るほど大国による覇権競争が人類を不幸にしている気がしてならない。要するに国家をまとめやすいのは小国(小さな政府)だし、米国の価値観の真似をするのではなくて日本らしい幸せな国家を追求するべきだと思う次第だ。初めての海外旅行にシンガポールを選んだ母は10年前に亡くなったが、もし今回一緒に来ていたらどう感じていたかな? とフト思いながら帰途についた。

  
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