したたか者の流儀

2016年10月22日

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 IMFが3カ月に一回世界経済について詳細なレポートを出しているが、今回も十月初旬に発表された。見たところ、番狂わせもなく、世界は順調に年率3%強で拡大しているようだ。逆に3%以下の数字だと世界不況になる。新興国という育ち盛りを多く抱えた世界経済は、3%以上の成長がないと大変厳しいことになる。

世界貿易額はなぜ減少しているのか

 では世界貿易額はなぜ減少しているのだろうか。にわかに保護主義となり内向きになっているからだろうか。それとも、原油の価格が低迷していたからだろうか。天まで伸びる木がないように世界経済の発展がとまり、定常経済に移行する予兆なのだろうか。

 そんなつまらないことを考えながら、ナポレオン・ミルフイユをぱくついた瞬間のあることを思い出した。

 1970年代のオイルショックまでは世界一のレストランはパリのマキシムであった。オイルショックで豊かになったアラビアの王族名士たちが世界一を求めてマキシムにやってきてもワインは飲めない。コカコーラを飲んだ。そんなこんなでミシュランがマキシムの星を落とすと決めたのを聞いて、掲載そのものを拒否したと聞いたことがある。

 それ以前は世界一位なので、有象無象も含めてマキシムは賑わったことであろう。世界オイルメジャーの一角、BPの元社長が傭船担当のヘッドだったころ、海運王のオナシスとの年間価格交渉はレストラン・マキシムで行われたと本人から聞いた。最後の詰めの頃になると、オナシスはやおらサングラスをかけたそうだ。まぶたの動きで満足不満足を悟られないようにとのことだ。そんなマキシムはソニービルの地下に東京店があった。ソニービルも建替えで消えるそうだ。フィリップ・ノワレがコンテナ状に残したミルフイユを思い出した。この業界主流のコンテナ荷主との厳しい価格競争は今も続く。韓進はどうなるのだろう。

  
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