ビジネススキルを活かして楽しむ脱力系子育てのススメ

2016年11月8日

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小川大介 (おがわ・だいすけ)

1973年生まれ。京都大学法学部卒業。学生時代から大学受験予備校、大手進学塾で受験国語の看板講師として活躍。難関中学、国公立大学医学部などへ多数の合格者を送り出す。2000年、さらなる学習指導の理想を追求し、中学受験専門のプロ個別指導教室SS-1を設立。教科指導スキルに、声かけメソッド、逆算思考、習慣化指導を組み合わせ、短期間の成績向上を実現する独自ノウハウを確立する。著書に『小川式[声かけ]メソッド』(宝島社)、『中学受験 基本のキ!』(共著:日経BP社)、『頭がいい子の家のリビングには必ず「辞書」「地図」「図鑑」がある』(すばる舎)、『論理力は小学6年間の国語で強くなる』(かんき出版)など。今年10歳になる男の子の父。

 自分が直接の行動を代わることはできないけれど、当人が上手くやれるように手伝ってあげたい。自分の行動に自信を持って、より良い方法を工夫できるようになって欲しい。(特に子どもについては)自分のことは自分でやろうと自立していって欲しい。

 この願いを叶えるのに、いい方法はないでしょうか?

 どんな手伝い方、どんなアドバイスの仕方を選べばいいのでしょうか。

実は「権限委譲」の問題です

 この話、お父さんが家庭内でのマネジャーポジションに座りがちだというところから展開してきましたから、ビジネスに置き換えて考えてみましょう。

 ほとんどの人にとっては、ビジネスに関することの方が子育てよりも経験値が豊富でしょうから、家庭に応用の利く知識やアイデアも見つかることと思います。

 さて今、あなたはチームのマネジャーです。部下の自律的な成長を促しながら、チームの目標を達成していきたいと考えています。そのためには、あなたは部下に対してどのように関われば良いでしょうか。

 コーチングやファシリテーションなどの技術は、もちろん重要です。

 しかしそれ以前にぜひ検討しておきたいのが「権限委譲」の問題です。「権限委譲」こそが、部下が自律的に成長できるかどうかに密接に関わってくるからです。

 その「権限委譲」ですが、グロービス・マネジメント・スクールは次のように定義しています。

権限委譲(empowerment)
権限委譲とは、与えられた(業務)目標を達成するために、組織の構成員に自律的に行動する力を与えること。
権限委譲(エンパワーメント)の特徴は、①自立性を促し ②支援することにある。
①については、業務の遂行にあたり経営者やマネジャーが業務目標を明確に示す一方、その遂行方法は従業員の自主的な判断に任せることである。②については、具体的な指示や解決策を従業員に与えるのではなく、従業員自身が問題点を発見し、不足する能力を開発できるよう環境を整えるといった形をとる。
なお、かつて権限委譲はdelegation、つまり意思決定権や責任を単に委譲することを指していたが、昨今のempowermentには、自立を促しそれを支援するといった意味合いが含まれている。
(引用元:http://gms.globis.co.jp/dic/00608.php

 「移譲」ではなく「委譲」、責任や役割を単に移すのではなく、委ねつつ譲っていくというところがポイントですね。

任せることは丸投げすることではない

 このグロービスの説明にもある通り、①自立性を促すには (1) 目標を明確に示す (2) 自主的な判断に任せる という2点が肝になります。ただこれだけでは単に「丸投げ」にしかならない危険性があります。

 丸投げになるかどうかは、マネジャーの姿勢の問題ですね。「任せた」と言うのはいいけれど、失敗した責任を取らないのでは単なる責任放棄です。まさに丸投げ。

 責任は自分が負うと心に決めるからこそ、②支援することも権限委譲の重要な柱になるわけです。

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