報道にはすべて裏がある

2016年11月11日

»著者プロフィール

 トランプ氏の当選確実が明らかになった11月9日午後、翁長知事はトランプ氏への祝電を送ることを明らかにし、普天間の辺野古移設への影響を記者から問われて、こう答えている。

 「トランプ氏は破天荒な人だ。基地問題がどういうふうに動くかは分からないが、膠着状態の政治はしないのではないか。できるだけ早く私の考えを伝える」

トランプ当選への期待感の裏で

 翁長知事は、トランプ氏について触れる前に、大統領選で敗れたクリントン氏については、「今日までの政治を背負っている。ある意味では(当選すれば)今の膠着状態がそのままになると思っていた」と述べており、トランプ政権の誕生で、現行の在日米軍再編計画を決め、日本政府以上の岩盤として沖縄側の要求をはねつけてきたホワイトハウスやペンタゴンが変化することへの期待感を示したものだ。

 翁長知事は12月の訪米を予定しており、その時にトランプ氏との会談を申し入れるつもりだという。これを受けて、翌日11月10日付の地元紙・琉球新報は社説でこう書いている。

 「(米国の)政権交代は日本の国土面積の 0.6%に74.46%の米軍専用施設が集中する沖縄にとって現状を変更する好機である。(中略)翁長雄志知事は早期に米国を訪れ、政権交代前、新政権の対沖縄政策が固まる前に、辺野古新基地建設の断念を求めるべきだ」

 冒頭の県幹部のつぶやきは、20年にわたって難航を極めてきた普天間問題が大統領の交代によって劇的な変化が起きるかも知れないことへの喜びの反面、沖縄県としての無力感も滲ませたものだ。だが、この県幹部はそう楽観もできないばかりか、懸念材料はたくさんあるという。

 「在沖海兵隊の移転に『待った』がかかったりしないか」

 沖縄の基地負担の軽減のために2006年の米軍再編ロードマップでは、1万5000人の在沖海兵隊のうち8000人をグアム移転するとされたが、2012年に計画の見直しがされ、現行の計画では在沖海兵隊9000人を2020年代から順次、グアムやハワイなどに移転するとされている。問題はこの移転にかかる巨額の経費(2012年の価格で総額86億ドル。日本円にして9000億円以上)の支出にトランプが同意するかだ。

関連記事

新着記事

»もっと見る