こうした空気の中で、ニューヨーカーたちにとって救いだったのは、ビル・デブラシオ市長、アンドリュー・クオモ州知事、ニューヨーク州選出上院議員のチャック・シューマー氏が、揃ってトランプ氏の公約に真っ向から反対する声明を出したことである。
州知事の声明文
中でもクオモ州知事が自身のフェイスブックに出した声明文は特出していた。その一部を引用する。
As New Yorkers, we have fundamentally different philosophies than what Donald Trump laid out in his campaign. (ニューヨーカーである私たちは、ドナルド・トランプが選挙運動中に公約したこととは基本的に違う哲学を持っています)
So let me be absolutely clear: If anyone feels that they are under attack, I want them to know that the state of New York – the state that has the Statue of Liberty in its harbor – is their refuge. (はっきり申し上げておきます。自分が攻撃されたと感じる人々にとって、「自由の女神」を湾に抱するこのニューヨーク州は、避難場所なのです)
Whether you are gay or straight, Muslim or Christian, rich or poor, black or white or brown, we respect all people in the state of New York.(あなたがゲイでもストレートでも、イスラム教徒でもクリスチャンでも、金持ちでも貧しくても、黒人、白人、茶色でも、ニューヨーク州ではすべての人々が尊重されます)
その後、クオモ州知事自らユニオン広場に出向いて、壁にポストイットを貼り付けたという。自由の女神像の足元に刻まれたユダヤ系詩人、エンマ・ラザリウスによる詩の一部を引用し、さらに「New York State hold the torch high!」(ニューヨーク州は(自由の象徴である)灯りを高く掲げ続ける!)と書き添えた。
トランプ氏が合衆国大統領となるこの4年間、世界はどのような影響を受けるのか。そして彼の政策に真っ向から反対するニューヨーク州と市、そして市民たちにとって、どのような戦いが「待っているのだろう。
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