2024年11月17日(日)

今月の旅指南

2016年12月23日

 古都・奈良に初春の訪れを告げる伝統行事、若草山焼き。毎年1月の第4土曜日に実施され、冬の夜空に鮮やかに浮かび上がる炎と、県内最大級の花火で知られる。

打ち上げ花火に続き、燃え上がる炎が若草山を包む
奈良市観光協会=写真提供

 「若草山焼きの起源については諸説ありますが、その中でよく知られているのが、若草山の山頂にある鶯塚(うぐいすづか)古墳をめぐる伝承です。ここから幽霊が出るとの迷信や、1月頃までに山焼きをしないと望ましくないことが起こるといわれ、恐れた人々が勝手に付けた火が燃え広がる事件が度々あったため、江戸時代には奈良奉行立ち合いのもとで、行われるようになったそうです」と若草山焼き行事実行委員会事務局の中西真美子さん。

 かつては昼間に実施されていた山焼きが夜間の行事となったのは、明治33年(1900)のこと。昭和21年(1946)からは花火が打ち上げられるようになった。

 当日17時ごろ春日大社の大とんどの御神火が時代行列とともに出発。若草山中腹の野上神社まで運ばれ、大かがり火に点火される。18時15分ごろ約600発の花火の打ち上げが始まり、終了直後の18時30分、33ヘクタールの草地に一斉に火が放たれる。

 山焼きは奈良市内各所で眺められるが、迫力ある炎と花火を楽しむなら若草山の山麓、全景の撮影には平城宮跡がおすすめだそうだ。

●若草山焼き
 <開催日>2017年1月28日
 <開催場所>奈良市雑司町・奈良公園内若草山一帯(奈良線奈良駅からバス)
 <問>若草山焼き行事実行委員会事務局 ☎0742(27)8677
  URL:http://narashikanko.or.jp/yamayaki/

*情報は2016年11月現在のものです。料金・時間・休館日などの詳細は、お出かけの際、現地にお確かめください

  
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◆「ひととき」2017年1月号より

 

 

 


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