世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2016年12月27日

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 今日の世界は不安定要素に満ちているが、中でも米国の利益と米同盟国の利益にとって、明確かつ実際的な脅威は中国の台頭から来ている、としてトランプ政権にとっての中国への対処の重要性を指摘した論評です。アジア太平洋において主導権を握ろうとする中国への対応策を早急に打ち出すべし、とする筆者の指摘は時宜を得た的確なものです。

リバランス

 オバマ政権の「リバランス」政策は方向としては妥当なものでしたが、実体としては、さしたる具体性のないものでした。トランプ自身は中国については、為替操作国には45%の関税を課すべしとの発言をしてきましたが、中国に対し如何なる政策を展開するかについて総括的に述べたことがなく、不透明なままです。ただし、トランプがTPPについて、就任直後にも離脱する考えである、と述べた点については、中国は内心これを歓迎しているに違いありません。

 もともと米国の「リバランス」政策のひとつの柱になるのがTPPの締結であると一般的に受け止められていたことを考えれば、トランプがTPP締結について翻意する可能性を含め、早急に対中政策全般を策定することが期待されていることは言うまでもありません。

 本論評が、対中政策策定にあたり、トランプが考慮すべき点として挙げている諸点は、いずれももっともだと言えます。ただし、上記の諸点のうち、TPPにかわる二国間協定なるものの実現性については詳らかにしません。「米国を再び偉大にする」というスローガンとTPPの関連性についてトランプ自身が「学習する」のに当分時間を要しそうです。

  
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