オトナの教養 週末の一冊

2016年12月28日

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中村宏之 (なかむら・ひろゆき)

ジャーナリスト

1967年生まれ。91年、慶應義塾大学経済学部卒、読売新聞東京本社入社。ロンドン特派員、米ハーバード大学国際問題研究所研究員、経済部デスク、調査研究本部主任研究員などを経て2017年4月より読売新聞東京本社メディア局編集部次長。『御社の寿命』、『世界を切り拓くビジネス・ローヤー』、(いずれも中央公論新社)など

 選挙で当選した人が「息子も応援してくださいました」などと言ってしまう。どうしてそんな言葉を使うのかと思いますが、記者会見などの場で丁寧に話さないといけないという思いからつい言ってしまう。「息子も応援してくれました」と言えばいいところを、何か勘違いしているのですね。

――最近気になる言葉の使い方はどんなことですか。

野口:読者からもお手紙をいただいたのですが、ビジネス関係の方々がよく使う、開口一番の「おつかれさまです」は気になります。別れる時はまだいいですが、会ったときに言う「おつかれさまです」や、メールの冒頭から「おつかれさまです」となっているのはやはり気になります。日本語教師の中にもそうした使い方をする人がいます。夕方一日の仕事が終わってからならいいですが、ビジネス関係の人の中には、「普通に使っているからいまさら指摘されても」といった雰囲気はあります。

 また、「おはようございます」に関しては、一日のうちで初めて会った時に使うなら、昼でも夕方に使ってもいいと主張する学生もいます。彼らはアルバイト先で夕方でも「おはようございます」と言うそうです。

 確かに日本語の場合、「こんにちは」は使いにくい言葉なのですね。「おはようございます」は敬語ですし、「おはよう」は親しい人に言えますが、「こんにちは」にはそうした言い方がない。すごく親しい人には使えないし、目上の人にも使えない。街中で会った家族に向かっても言えない。親しい人にも遠い人にも使えない言葉なんです。ですから「おはようございます」や「おつかれさまです」を使いたくなる気持ちもわかります。私は余り使いたくありませんが。何か他の言い方がないものかと考えているところです。

  
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