2024年11月22日(金)

Wedge REPORT

2017年1月18日

 また三浦工業やJFEエンジニアリング、粟田工業など装置メーカーでも生産能力の強化など規制強化に合わせた体制作りを急いでいる。

 中でも三浦工業では本社工場(愛媛県松山市)に約30億円を投じて組み立て専用の新工場を建設中だ。完成は2017年6月頃の予定でこれによって装置の生産能力は現在の年産300台から720台に高まる。これに合わせて海外での営業体制も強化する方針で、台湾やシンガポール、オランダなどでの体制整備を急いでいる。

不透明な米国の動向

 だが、本当に“特需”は発生するのだろうか。実は不安視する向きも多いのだ。それはバラスト水対策にからむ米国の存在だ。米国は「バラスト水対策についてIMOより厳しい規制策を求めている」(杉原毅向島ドック社長)とされるが、米国の規制当局である米国沿岸警備隊(USCG)による処理装置の認定作業が遅れているためだ。

 このため一船主などの間では「USCGの認定を受けた処理装置がまだ存在していないことを理由に装置の導入延期を求める動きがある」(修繕事業界関係者)ことも事実だ。こうした状況下、関係者の間からは「しばらくは様子見だ」(杉原・向島ドック社長)という声も出ているが、最近になってUSCGは機械の認定作業をはじめ、一部メーカーの機械について認定を始めているという報告も伝わっている。バラスト対策を巡る業界関係者の一喜一憂ははじまったばかりである。

   
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