あぐらをかいてはいけない
私は、労働組合の委員長をしています。労組も変わらないとダメ。賃上げを求めるだけでなく、経営側に提案もしないといけない。交渉の場では、人事、財務、営業、広報などと様々な案を示すようにはしています。
ひどい管理職がいるならば、労組が降格を経営側に求めてもいい、と思っています。そうでないと、部下が気の毒。若い人が育たない。そんな管理職が増えると、私の前職のようになりかねない。あの頃のみじめな思いを皆にさせたくないのです。
「あいつは使えない」と部下にレッテルをはり、育成しない管理職に労組として厳しく迫ることは当然だと思います。管理職になっても、部下を育てることができない人はいます。管理職手当をもらい、自分の仕事だけをしている人もいます。私は、そのような人を昇格させること自体、間違いだと思うのです。
管理職ならば、業界や経済の行方、会社のあり方、社員の育成など、広い視野で考え、語ることができる人こそ、ふさわしい。その意味での考える力と、語ることで説得できる力ですよ、大切なものは……。それでこそ、「使える上司」でしょう。
この業界では、労組に古い考えが浸透しています。「会社は敵だ。協力をするな!」「自分の仕事以外はしてはいけない。会社の犬になるな!」……。前職では、優秀な社員が労組に潰されていました。労組と保身のかたまりの経営側が一体化していました。ぶら下がりの管理職が多かった。そのあおりをくうのが、若い部下たちです。
今の職場ではそれをぶち壊してやろう、労組のあり方も変えてやる、と思っています。労組が、ダメな管理職の降格を経営側に求めたり、優秀な組合員(非管理職)を管理職にするように推薦するべきなのです。若い人を管理職に大胆に抜擢してほしい、と提案もしたい。
私は可能なかぎり、古いしきりたりや慣習をひとつずつ、解きほぐしたい。組合員には、管理職になっていきたいならば、どんどんと手をあげろ。部下をもつ身になって、若い人を育ててくれよ!と言っています。今の時代に、労組のリーダーが「会社は敵だ」なんて考えているようでは、組合員はついてきません。