定年バックパッカー海外放浪記

2017年1月22日

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ユミちゃんの日常生活は
日本の格差社会の縮図そのものか

 保育園の仕事は交代要員がいないので原則まとまった休日が取れないこと。そして給料が低くしかもボーナスも一か月分がやっと。生活費をカバーして年一回のアジア旅行費用を捻出するために平日は保育園が終わってからスナックバーで深夜までアルバイト。毎日午前2時頃就寝、午前7時起床。しかも休日はスーパーなどで販売促進のデモンストレーションのバイト。

 格差社会日本の現実そのものの日常。その重い現実の果ての東南アジア旅行なのだと思うと切なくなった。

 11時過ぎに三人の日本人の社会人風バックパッカーがチェックインしてソファに座った。この宿は≪地球の歩き方≫で紹介されているので邦人客が多いようだ。ユミちゃんが二本目の大瓶を持ってきた。

ゲストハウスの従業員の青少年たちとオジサン

ユミちゃんはミャンマー青年と深夜の街へ

 五人で雑談をしているうちにユミちゃんの様子がおかしいのに気付いた。どうも話には上の空でロビーの受付カウンターのほうをちらちら見ているのである。

 男四人で南米旅の冒険談に興じていたら、ユミちゃんは「タバコを買ってきます」とカウンターに向かった。そして従業員の青年と二人で夜の街に消えた。時計は午前零時前。

ユミちゃんは完全に別世界へワープ、“夢の中へ”

 午前1時近くになってやっとユミちゃんと青年が戻ってきた。タバコ屋が開いていなかったので街角にある屋台で噛みタバコをやってきたとユミちゃんは興奮気味である。「あの子ってとってもいい子なのよ。親切で真面目で誠実で。ああ、どうしようかな。どうしたらいいの?」なんて乙女チックである。

デモンストレーションで勢ぞろいしたバイクに乗る地元の少年たち

 そのうちにユミちゃんは再びカウンターに行って青年と話し出した。二人とも単語を並べる程度の英語力なので会話内容が明瞭に聞き取れる:

 「あなた明日仕事ある?」

 「僕、明日休み。」

 「あなたとデートしたい。」

 「僕バイクある。バイクで一緒に行こう。」

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