2015年6月にコーポレートガバナンス・コードが制定された前後は「社外取締役の候補者を選んで欲しい」という依頼をよく受けた。しかし、東芝や三菱自動車工業の不正が起きたこともあり、社外取締役の役割や責任を改めて問う読者も多いのではないか。
上場企業の場合、独立社外取締役を少なくとも2人選任しなければ、株主への説明責任が生じる。多くの企業ではそのルールに従って、社外取締役を置いた。それらの企業では「取締役会での決定事項に対する監視・監督」だけを重視して、社外取締役を選んでいることが多い。しかし、それでは「独立性」という部分に引っ張られすぎている気がする。
筆者は社外取締役を置くことは株主、経営陣、社員にとって有用な仕組みだと思っている。しかしそれは、彼らの選び方や活用法を間違えなければ、という前提条件が整った上での意見だ。