狙いが定まりにくくなった印象
GEを手中に納めたことで高級路線に切り替えるならばそれでも良いのだが、従来の顧客をも繫ぎ止めるために小型家電も継続、しかしIoT機能を備えた分デザインも価格もグレードアップ、ということで却って狙いが定まりにくくなった印象がある。
ハイアールブランドを継続するならGEアプライアンスとははっきり区別し、それぞれのターゲットに合わせた商品開発をしないことには、どちらもコンセプトの定まらない曖昧なブランドになってしまう可能性もある。
ハイアールとしては米国の住宅事情の変化、つまり以前よりも面積の狭い住宅が増えている、と言う事実から小型家電には十分な可能性がある、との読みだ。例えば今回のCESでハイアールが発表したのは24インチシリーズ。ガスレンジ、調理台、オーブン、レンジフード、洗濯機などが幅24インチで揃えられた。従来のアメリカの標準サイズは32インチだ。さらに18インチの食洗機なども紹介された。ただし価格帯は決して安くはない。ガスレンジの価格は1100ドルで、32インチ幅のメイタグやワールプール製品でも1000ドルを切る価格のものはいくらでもある。
このハイアールの戦略が成功するのかあるいは裏目に出るのか。小型ながらサムスンやLGに対抗できる機能を備えたハイデザイン、と言うのがハイアールの狙いかもしれないが、GEアプライアンスとの差異も明確ではなく、現時点での先行きは不透明だ。
▲「WEDGE Infinity」の新着記事などをお届けしています。