IoTという言葉が浸透して久しいが、実際に家電のIoTは人々の暮しをどう変えるのか。韓国の大手家電メーカー、LGは「販売する家電のすべてにWiFiコネクションを」という大胆な戦略で挑んでいる。家電のコネクティビティとスマホ、クルマの搭載コミュニケーションを合わせることで、スムーズな情報の共有を目指す。
サムスンとの違い
これによってどのようなことが可能になるのか。例えば冷蔵庫では、扉のモニタースクリーンをタッチすることで内部がチェックできる。さらに冷蔵庫が庫内の食品の賞味期限などをチェックし、扉を開けることなく情報を得ることができる。さらに庫内ストックの情報をスマホに流すことで、買い物リストが簡単に作れる。
しかしここまでは昨年のCESでもすでにサムスンなどが紹介した技術だ。今回LGはアマゾンとの提携により、ここから一歩進んだ提案を行った。アマゾンの音声コマンド「アレクサ」と連動することにより、例えばミルクがない場合「ミルクを買う」と声に出すだけで良い。アレクサが自動的にアマゾンに連絡し、ミルクの購入、配達が行われる。
LGではこうしたIoTシステムの中心にThinQと呼ばれるシステムを据え、AI、クラウドとの連携によりスムーズなユーザーエクスペリエンスを提供するという。AIが加わることで、例えば自動掃除ロボットが部屋のレイアウトを覚え、どこに障害物があるかを記憶して効率よく掃除する、あるいは障害物が人である、と認識した場合警告音を出して人に「どいてほしい」という意思表示をする、などが可能となる。
LGは家庭用ロボットにも力を入れているが、これは将来シニアケア、セキュリティなどに役立つことが期待されている。家庭用ロボットはスマートハウスのハブとなり、各家電にコマンドを送る、受け取る、情報を共有するなどの役目を果たす。