2022年8月17日(水)

江藤哲郎のInnovation Finding Journey

2017年1月19日

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江藤哲郎 (えとう てつろう)

ベンチャーキャピタリスト

 鹿児島県出身。1984年慶應大商学部卒業。同年(株)アスキー入社。86年マイクロソフト(株)設立に参加し、マーケティング部長代理としてWindowsコンソシアム、マルチメディア国際会議等を立ち上げる。

 92年(株)電通入社後、デジタル・コンテンツの開発とビジネス化を推進。2002年から情報システム局でSAPアジア共通会計システムを中国・アジアの30拠点に導入他、国内外の全システム開発を担当。2013年から経営企画局専任局次長として、電通が約4,000億円で買収したイージスとのグローバルIT統合の責任者。

 2015年7月、ワシントン州カークランドにInnovation Finders Capitalを設立。AI、ビッグデータ等スタートアップを日本と繋げる。家族は妻と一男。
 

 その日本でAIについて講演をしていると、シンギュラリティについて意見を聞かれることがある。私は昨今問題とされている2045年にAIが人知を超える云々という点より、もっと手前に大きな課題があると考えている。シンギュラリティの遥か手前、2020年代にも会社の中に必ずAIがやって来る。コーポレート・シンギュラリティの時代の幕開けだ。これは日本にとって歴史的なインパクトになる。

世界ではじめて体験する日本

 そもそも日本は大企業がリードする企業社会だ。これまで人々は所属企業に尽くしながらその人生を形成してきた。会社の中でのポジションや成果を必死に求めてきた日本人の目の前に現れるAIは、会社と彼ら彼女らとの間に入って来る。AIはすでに経理、法務などのバックオフィス部門のみならず、営業などの現場でも業務を支援し、あるいは顧客に対しても相対し始めている。今後はチャットボットがより進化した形で前面に出て来るだろう。日本は少子高齢化とコーポレート・シンギュラリティの両方を、世界に先駆けて身を持って体験する国となる。

 近年、企業の現場では顧客からの注文がより高度化細分化し、特に上場企業は順守せねばならないルールが増えた。しかしそれら全てに対応するためとはいえ、労働時間を増やす方向には行けない。人も時間も増やせない以上、システムにAIにそのリソースを求めていくのは当然だ。そういう意味でも日本はAI先進国となる必然性がある。

 実は人々が求めているのは、自分の質問などのリクエストに対して常時誠実に答えてくれるチャットボットAIではないだろうか。いわば相棒だ。パソコンやスマホ、あるいは車内で端末は違っても同じ相棒AIを頼りにしながら仕事をし、話し相手としても共に生活する。そうなれば仕事場でもプライベートでも、AIはもっと身近で欠かせない存在となるはずだ。

  
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