2022年8月10日(水)

ベストセラーで読むアメリカ

2017年2月9日

»著者プロフィール

 真珠湾攻撃を行った飛行隊を率いた旧海軍の淵田だけは許せないというのだ。淵田は戦後、キリスト教の信者となりアメリカでも布教活動を行った。筆者はそうした淵田の活動についても売名行為として批判的にみていた。ただ、筆者も日本という国に対して反感を持ち続けたわけではないことは、次の一節でも分かる。

 The Japanese company that manufactured the Zero was Mitsubishi. Today they make cars, many of which are sold in the United States. On some level, if only an economic level, we have made peace with our enemy, and they with us.

 「ゼロ戦を製造した日本企業は三菱だった。今日では三菱は車をつくり、アメリカでも多くの車を売っている。ある意味、経済面では、わたしたちは敵と和解し、相手もわたしたちと和解をしているのだ」

 筆者はさらに、次のようにも書く。

 I have no animosity for the Japanese people. The Japanese military, well, that’s another thing. I still have so much anger toward them.

 「わたしは日本の人々を恨んではいない。ただ、日本軍については、話は別だ。わたしは今でも大きな怒りを感じる」

 経済の面で、アメリカと日本は強い絆を築いており、日本人に対してもわだかまりはないという。ただ、当時の日本軍をいまだに許せないという。正直な気持ちだろう。ただ、94歳と高齢の筆者はいずれ自分が死んだあと、天国で淵田と会う時には、握手をするだろうと記している。

  
▲「WEDGE Infinity」の新着記事などをお届けしています。

関連記事

新着記事

»もっと見る