前向きに読み解く経済の裏側

2017年3月6日

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戦後の日本は固定相場だった、それは資本取引が規制されていたから

 戦後の日本では、1ドル360円の固定相場制が採用されていました。施行停止に追い込まれず、長期間にわたって続いたのは、当時の日本の法律では、米国債への投資や庶民の外貨預金は許されていなかったからです。ドルを売り買いするのは、原則として輸出企業と輸入企業に限られていたのです。

 ここからは、国際金融論の教科書です。固定相場制と、自由な金融政策(金利決定)と、自由な資本移動(米国債投資や庶民の外貨預金等)の3つは、同時には得られないのです。固定相場制と自由な金融政策を得るためには、自由な資本移動を禁止しないと、本稿のようなことになってしまいます。戦後の日本政府は、それがわかっていたから自由な資本移動を禁止していたのです。

 固定相場制と自由な資本移動を得るには、自由な金融政策ではダメで、日本の金利を米国の金利と同じにする必要があります。そうすれば、資本移動を自由にしても、円をドルに替えて米国債を買う投資家はいなくなるので、固定相場制は保てるでしょう。

 自由な金融政策と自由な資本移動を認めるならば、固定相場制は採用できないのです。今の日本で、金融政策をやめて米国と同じ金利にする事は不可能ですし、外貨預金等を禁止することも不可能でしょうから、固定相場制の採用は不可能だ、ということになるのですね。

  
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