東日本大震災から6年目を迎えます。そして我々、関西の人間にとって忘れることのできない阪神大震災からは22年。今回紹介する、サイエンス社(大阪市淀川区)会長の青山恭明さん。青山さんの震災体験からお話させていただきたいと思います。
阪神大震災直前、青山さんは人生最大とも言える危機に直面していました。次女が急性白血病になってしまったのです。隔離された病室に入っているため、1日2時間しか面会できません。
「仕事も何も放ったらかして、毎日娘に会うために病院へ通い、それ以外に何もする気が起きませんでした」と、青山さんは振り返ります。
どうして自分の娘がこんな目に遭うのか……、厭世的な気持ちになっているときに、阪神大震災が起きました。
ある日、テレビを見ていると被災した中華料理店の店主の男性が出ていました。阪神大震災で、自宅兼店舗が倒壊して家族三人を亡くし、一人になってしまったそうです。青山さんは、その男性が言った言葉が今でも忘れられないそうです。
「僕はこの場所で必ずお店を再開させます。それが家族の供養にもなると思うんです。カメラマンさん、だから僕がお店を再開させたときは、もう一度来てください」
この番組を見て「家族を亡くしても、頑張ろうとしている人がいるのに、俺は何なんだと、情けなくなりました。娘はまだ生きている。生きているうちにできることは何か。それは、一生懸命働くことだ。娘には週末会いに行けばいい」と、青山さんは思い直したそうです。
そんな青山さんが開発したのは、お風呂につかるだけで、身体を洗い、身体が温まる効果も増進される夢のようなお風呂、1970年の大阪万博時に話題をさらった、今はなき三洋電機が開発発表していた「全自動人間洗濯機」を彷彿させる商品です。
マイクロバブルトルネードとは?
大阪の地下鉄の大動脈と言えば、地下鉄御堂筋線、梅田から途中地上に上がり、淀川を渡るとすぐに新大阪駅。その新大阪に近づくと車内アナウンスで『マイクロバブル入浴装置のサイエンス~』と聞こえてきます。また、テレビCMで「マイクロバブルトルネードで油性マーカーが落とせるか!?」などと水と泡だけで、石鹸も使わずに油性マーカーが消えてしまう様子を見たことがある方もいるかもしれません。
これを開発したのが、青山さん率いるサイエンス社であり、「マイクロバブルトルネード」です。マイクロバブルについては、一般社団法人ファインバブル産業会(以下、FBIA)という組織が設けられ、精密機器、化粧品、洗浄、環境改善等々幅広い活用について検討が行われています。このFBIAが唯一認めている製品が本日のサイエンス社の「マイクロバブルトルネード」です。