世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2017年3月16日

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 このワシントン・ポスト紙の社説は、時宜を得た良い社説です。北朝鮮が日米首脳会談を念頭に置いて挑発したのかどうか、先方の意図はわかりませんが、日米の強い反応を引き出すことになりました。ミサイル発射は国連安保理決議に違反し、2月13日、安保理は全会一致で北朝鮮を非難する報道声明を採択しました。状況によりさらなる措置もとるとされており、これまでの制裁の厳格な実施も行われるでしょう。

 中国は、韓国へのTHAADミサイル配備をやめさせようとして、韓国に非公式な経済制裁を加えています。韓国の政治は目下混乱状態にあり、来るべき大統領選挙をにらんで、野党の中には、THAAD配備を争点化し、反対しようという勢力があります。

注目される中国の出方

 今回の北朝鮮のミサイル発射は、韓国へのTHAAD配備には明らかに追い風であり、中国や韓国の野党の一部勢力には打撃を与えることになるでしょう。北朝鮮からのミサイルに備える必要があるという議論は強い根拠を持ちます。中国が今後どうするか、見ものです。

 北朝鮮のミサイル技術は大きく進歩しています。今度のミサイルは固体燃料を使うミサイルであること、発射機が移動式であることは、ミサイルの脅威をこれまでよりも深刻なものとします。ノドンミサイルは移動式でしたが、液体燃料でした。

 飴と鞭を使う対北朝鮮圧力を、脅威の深刻度に応じて強くすることが必要です。中国との関係でも、対北朝鮮圧力を強めることに、これまで以上の優先度を付して求めていくべきでしょう。北朝鮮が韓国、日本、米国への脅威となるのを止めないで、中国は普通の関係をこれらの国と持つことはできないとの姿勢で臨むくらいの覚悟が必要です。

  
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