2024年12月22日(日)

世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2017年3月16日

 北朝鮮の新型ミサイル発射を受けて、2月13日付のワシントン・ポスト紙の社説は、北朝鮮に対する飴と鞭を組み合わせた戦略の採用を勧奨しています。同社説の要旨は次の通りです。

(iStock)
 

 弾道ミサイルを持つすべての国が学んだ教訓があるとすれば、実習が完成につながる実験が不可欠である、ということである。最近発射された北朝鮮のミサイルは金正恩が新年に述べたICBMではなかったが、北朝鮮は着実に技術を習得している。米国はこの挑戦に対し、新しい真剣な戦略を必要としている。

 今回発射されたのは固体燃料ミサイルであり、310マイル飛行した。日本と韓国を心配させるのに十分な射程距離である。このミサイルは昨年北朝鮮が潜水艦から試験発射したKN‐11ミサイルの改良型かもしれない。ミサイルは、探知が難しくなる移動式の発射機から発射された。

 トランプ大統領は1月に、「北朝鮮は核兵器を米国の一部に届けることのできるミサイル開発の最終段階にあると言ったが、これは起こらない」とツイートしたが、今回は賢明にも向こう見ずな反応はしなかった。いまレッドラインを引いて得られるものはない。2月11日、トランプ大統領は安倍首相とともに記者の前に現れ、日本への支持を強調した。習近平にも電話した。トランプは選挙中の発言でアジアを心配させたことを鎮めようとしている。

 トランプは北朝鮮に対する戦略策定に集中すべきである。2月13日、トランプは「これは大きな問題」であると認め、「強力に」取り組むと誓った。

 外交評議会とカリフォルニア大学アジア協会の研究は、北朝鮮に核とミサイル計画を凍結させるために圧力をかけるアプローチを提案している。米国は制裁や韓国へのミサイル防衛配備などの鞭と共に飴をも使わなければならない。これらの研究は、対北朝鮮戦略において中国の役割が中心的であることを強調している。トランプは、中国との話し合いで、この問題の優先度を高め、この問題に取り組む機会をもつ。

出 典:Washington Post ‘The United States needs a new strategy for North Korea’ (February 13, 2017)
https://www.washingtonpost.com/opinions/the-united-states-needs-a-new-strategy-for-north-korea/2017/02/13/4998875a-f21b-11e6-a9b0-ecee7ce475fc_story.html


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